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漫画『ホテル探偵DOLL』感想―ゴルゴ13と共演した女ホテル探偵

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さいとう・たかを先生と言えば、やはり世界を股にかけるスナイパーを描く『ゴルゴ13』のイメージがあります。

そんなゴルゴと「共演したことのある女探偵」を描いたのがこちら。『ホテル探偵DOLL(ドール)』です。

ホテル探偵DOLL Vol.1ナイト・マネージャー

パッツン前髪の魅力的なショートカット女性。手にする22口径のスミス&ウェッソン・マグナムモデル53が光ります。

『ホテル探偵DOLL』はリイド社より全3巻が刊行、完結済みの漫画作品です。

『ホテル探偵DOLL』感想・レビュー

ホテルチェーンの女探偵

漫画『ホテル探偵DOLL』は、巨大ホテルチェーン「サンライズ・ホテル」に所属する女性探偵・DOLL(ドール)が、ホテルを舞台にした犯罪その他に関わっていく、1話完結形式の物語。

普段はサンフランシスコのサンライズ・ホテルにいるドール。ですが凄腕のホテル探偵として腕を買われている彼女は、サンライズ・ホテル全般を担当。系列ホテルを巡回している、という設定。

なので舞台はイギリスやカナダなど多彩。時には古城の買収に立ち会ったり、日本に飛んだり、といったケースもあり、世界を股にかけた活躍を見せます。

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多様な事件に対応する用心棒的存在

そんなドールが出会う事件は、実に多様。「ホテルでの犯罪」と聞くと、普通は窃盗事件や強盗事件などが思い浮かのではないでしょうか。

もちろんそれらの犯罪への対応やホテルの保安も、ドールの仕事。

ですが射撃・格闘とも一流の腕を持つ彼女は、時に要人警護のような重要な仕事が任されることも。

ホテル探偵DOLL Vol.2フォッグ・ホテル

そしてそれらの事件を、鋭い観察眼と優れた身体能力で解決するドール。

彼女の肩書は「ホテル・ディテクティブ(探偵)」ですが、その仕事内容はどちらかと言えば「用心棒」に近い性質のもの。

さいとう・たかを作品らしい人情ものから派手なガンアクションまで、様々なシーンで活躍をします。

巨大ホテルならではのドラマ

そんな女性探偵が活躍する『ホテル探偵DOLL』。劇画らしいリアルさとアメリカをはじめとする海外の雰囲気も相まって、日本が舞台のサスペンス漫画とはひと味違う魅力があります。

ホテル探偵DOLL Vol.3ウィンディ・シティー

巨大ホテルに集う人々の、その思惑は様々。その僅かな変化や事件の予兆を嗅ぎ取るドールの優秀さが、本作の見どころ。

今でこそ日本にも数多くのホテルがありますが、「巨大ホテル」と言えばやはり本場はアメリカやヨーロッパ。

その独特の文化を下敷きにした「ホテル探偵」の活躍。ドール自身のエキゾチックな容姿(どうやらドールは日本人の血を引いているよう)とも相まって、その活躍が読者の目を惹きます。

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ドールの内面の掘り下げがほしい

ただ欲を言えば、もう少しドール自身の内面などを描いて欲しかったところ。

ドールの身内に関わる悲しい事件なども作中で描かれるのですが、なぜ彼女が「DOLL(人形)」と呼ばれるのか、彼女がどうやって凄腕の探偵になったのか、と言った部分は描写が少ない。

ホテル探偵という設定と女性主人公であるドール、とても魅力があるものなので、その辺りをより掘り下げる話があれば、もっとメジャーな漫画になったのでは、という気がします。

『ホテル探偵DOLL』まとめ。ゴルゴとの共演も!

というわけで漫画『ホテル探偵DOLL』。ゴルゴ13とはまた異なるおもしろさを持つ佳作です。ちょっと暗めの洋画が好きな方にオススメ。

また冒頭でご紹介したように、ゴルゴとも邂逅しているドール。そのお話はゴルゴ13『クリスマス・24アワーズ』に収録されています。気になった方はまたチェックしてみてください。

ホテル探偵DOLL Vol.1ナイト・マネージャー

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