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ふくやまけいこ『東京物語』感想―ナウシカだけじゃない!アニメージュの名作漫画

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はるか昔、徳間書店の月刊アニメ情報誌「アニメージュ」を読んでいました。

その時に連載されていた、ふくやまけいこさんの漫画「東京物語」が好きだったのですが、同志の購読を途中でやめてしまったために結末を知らず。

しかし2004年に復刊されていたことを知り(遅っ!)、気になっていた物語のラストを読もうと決意。

ふくやまけいこ「東京物語」

ハヤカワコミック文庫から復刊されている、文庫版「東京物語」全3巻を手に入れました。

昔は同じくアニメージュで連載されていた、「風の谷のナウシカ」のような大判コミックスだったんですよね。連載もかぶっていた記憶があります。

※「ナウシカ」は1982~1994年、「東京物語」は1987年~1991年の連載。

「東京物語」感想・レビュー

あらすじ

昭和初期の帝都東京。

出版社で編集を担当する桧前平介(ひのくまへいすけ)は、とある宝石盗難事件で不思議な雰囲気を持つ青年・牧野草二郎と出会う。

平介は「草ちゃん」と呼ばれ、町の人から慕われる草二郎とともに、身近な謎を解き明かしていく。

しかしどうやら草二郎には不思議な力があり、その過去にも何らかの秘密が-。

帝都が舞台の冒険活劇

ふくやまけいこさんの描く漫画・イラストが大好きです。

この「東京物語」と同時期ぐらいでしょうか。田中芳樹さんの小説「夏の魔術」のカバー・本文イラストをふくやまさんが担当されていて、そのほがらかな絵柄と優しいタッチのファンになりました。

そして25年ぶりぐらい?に読んだ「東京物語」、とても満足しました。

なるほど、平介と草二郎の冒険はこんな結末だったんですね~。スッキリ!

そしてふくやまけいこさんの作画。本職に言う言葉ではないですが、実にウマイ!

キャラクターはほんわか風味ながら、描かれる一コマ一コマの表現が細やか。

動きのあるシーンでは人物が活き活きと動くうごく。

まさに「帝都を舞台にした冒険活劇」です。

昭和初期を描くミステリー

ストーリーも緻密。特に推理・謎解きの話は昭和初期らしいエピソードで、子どもの頃に読んだ少年探偵団をほのかに思い出しました。

直情的で行動力のある平介と、誰からも好かれるけどちょっとミステリアスな草二郎。このコンビの活躍が楽しすぎます。

「東京物語」の連載自体は1992年までですが、文庫版第3巻には1995年に「月刊少年キャプテン」に掲載された番外編「桜-SAKURA-」を収録。

また各巻末には描き下ろしのあとがきマンガ「平介探偵日記」も掲載。

本編で語られなかった、平介と女性記者・響のその後も描かれています。

かつての「東京物語」ファンならば見逃せない?

ちなみにこちらも、「東京物語」と近い時期にアニメージュで連載していたと思われる漫画、洞澤由美子さんの「D」。

これも結末を見逃したのですが、現在は一部電子書籍ストアで1巻のみが発売されている状況…。全部電子化してくれないものか。

コメント

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