崩壊後の日本を闊歩する巨獣と異形の少女―漫画「虎鶫 とらつぐみ」

核対戦後に崩壊した日本。秘密兵器探索のためにそこに送り込まれたフランスの死刑囚は、廃墟を闊歩する巨大な獣、そして鳥のような脚を持つ異形の少女に出会う―。

圧巻!の画力で、フランスで先行ヒットした作品、ippatu(いっぱつ)さんのSFアクション漫画「虎鶫 とらつぐみ -TSUGUMI PROJECT-」あらすじ紹介&感想です。日本では講談社・週刊ヤングマガジン誌にて絶賛連載中。コミックスは2021年8月現在、2巻まで刊行されています。

「虎鶫 とらつぐみ」感想

あらすじ

機密文書ファイル「TORATSUGUMI」により、秘密兵器が眠るとされる旧日本。功績と引き換えに「滅罪」を約束されたフランスの罪人部隊が、260年前に核大戦で崩壊したその地に1年の期限付きで送られる。

その移動中に、日本上空で輸送機が謎の墜落。生き残った無実の囚人・レオーネは、再び妻子に会うために決死のサバイバルを開始するも、猿型の生物に取り囲まれピンチに。

そこに突如現れたのは、熊とも虎ともつかない巨大な獣と、鳥のような脚部を持つ長髪の少女。片言の日本語を話す彼女は獣を使い、猿たちを蹴散らしていく―。

秘密兵器をめぐるサバイバル

文明の崩壊した日本に放り出された主人公・レオーネ。再び祖国の地を踏むべく「秘密兵器回収の任務」に就き、サバイバルをするその様子が、「虎鶫 とらつぐみ」では描かれていきます。

しかし水も食料も禄に手に入らない状態で、詳細不明な「謎の秘密兵器」を発見することができるのか?さらに異形のモンスターたちが闊歩する人智の及ばぬ世界で、「回収まで一年」という期限を過ごすことができるのか…?

絶望的とも言える状況ながら、それでも妻子のもとへ帰るため、任務を果たして「滅罪」を勝ち取るための彼の「闘い」が、物語の大きな見どころとなっていきます。

圧巻の廃墟描写がスゴイ

そんな「虎鶫 とらつぐみ」でとにかく読者を圧倒するのが、廃墟と化した日本の様子。車は潰れ、高層ビルは朽ち、倒れ、そのそこかしこに植物が絡まっている、核大戦の衝撃を物語る風景。

劇中のところどころで描かれる、緻密にしてスケールの大きいその廃墟描写が、圧巻。高い画力により生み出される説得力の高さが「既に文明の滅んでしまった日本」を確実に味あわせてくれて、SF好きには堪らないものが。

ページをめくるたびに思わず「スゴイ!」と唸ってしまうのですが、それが凄すぎる故に呼び起こされる、レオーネの絶望。サバイバルの緊迫感が否が応でも盛り上がります。

「つぐみ」と「とら」の正体は…?

その廃墟の中で躍動するのが、鳥脚の少女「つぐみ」と巨大生物「とら」

可愛らしい顔と華奢な体つきながら、巨大な鳥状の脚部で驚異的な運動能力を見せる”つぐみ”。体の大きさが数倍違う”とら”を従わせていることから、「強い」ことが予想されますが、レオーネにはなぜか友好的な様子。

しかし彼女の素性や行動原理・強さについては、全くの謎。機密ファイル「TORATSUGUMI」の名から、おそらく秘密兵器と何らかの関わりがあるであろう、と推測はされますが、不明なことだらけ。また旧日本には、彼女たち以外にも強力な異形がいるようで…?

サスペンス感あふれる緊迫の秘密兵器探索

1巻後半で仲間を得たレオーネは、本来の任務である秘密兵器探索を本格的に開始。とりあえずの目的地・西の公文書庫へ。そこで旧日本で起こったこと・現在の状況が徐々に開示されていくことに。

260年前に大量の核兵器が使われたことに端を発する「核の冬」、さらに石油資源の枯渇により「紙」が燃料として用いられるように。これは秘密兵器の探索に困難が伴うことを示唆しますが、情報を求めて施設の奥深くへ進むとそこには…?

この緊迫感あふれる探索の様子、「真実」に主人公たちが迫っていく感覚が、実にサスペンス感に満ちていて面白い!○イオハザードをプレイしているようなドキドキが。アクションだけではない多彩な魅力を持つ「虎鶫」、一度読み始めるとページをめくる手が止まらなくなっているでしょう。

まとめ

以上、ippatuさんの漫画「虎鶫 とらつぐみ -TSUGUMI PROJECT-」の感想でした。息を呑む終末風景と緊迫のアクション、そしてそれらが融合した世界観が圧倒的迫力を持って読み手に迫る、SFアクション作品です。

物語序盤ではちょっと主人公のひとり語りが目立つかな?、という印象もあったのですが、話が進むにつれそれもこなれて来た感じ。レオーネ、そして「つぐみ」のさらなる活躍が楽しみです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました