どこへだって行けるさ。世界は広い―漫画「Artiste」1巻

最近、ご飯が絡んだ漫画ばっかり読んでるな…(以上、前フリ)。というわけで今回ご紹介する漫画はこちら。さもえど太郎さん描く「Artiste(アルティスト)」。

新潮社「月刊コミック@バンチ」連載。現在1巻が発売中。作者のさもえど太郎さん。ペンネームの「さもえど」はロシア原産のモフモフなワンちゃん「サモエド」から来ているそうです。

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あらすじ

パリのレストランで雑用係として働く気弱な青年・ジルベール。厳しいシェフに目をつけられ皿洗いをする毎日。陽気な新人・マルコは、何をたずねても詳しく教えてくれるジルベールを見て、彼が実は料理が出来るということに気づく。

祝の席でシェフ直々に手渡されたワインを割ってしまったり、失敗ばかりのジルベール。雑用係のポジションにも何やら理由があるよう。そしてとある日の深夜。忘れ物を取りにレストランへ戻ったジルベールは、シェフとばったり出会い―。

「Artiste」1巻感想

実力はあるのに極端に気が弱い青年が、人々との出会いをきっかけにその世界を広げ、成長していくというストーリー。主人公・ジルベールの職業は料理人ですが、グルメ漫画ではなくヒューマンドラマといった趣。ちなみに「アルティスト」はフランス語。英語で言うところの「アーティスト」です。

良い腕を持っているのに「とある理由」で対人関係が苦手、引っ込み思案なジルベール。一方、コミュニケーション能力は高いが職を転々とし、気ままに生きるマルコ。対比的な二人の青年の姿。

口下手なジルベールだが、仕事や料理の質問には何でも答えるその姿勢に対し、「(ジルベールと)話すのは楽しい」と真顔で言うマルコ。それはお世辞ではなく、そう思う理由が後半で描かれます。そこには現代の仕事観が見えて、なるほど。同じような悩みを持っている人も多いのでは。

対象的な二人。一見、社交性の高いマルコの方が生きやすそうなのですが、ジルベールに「自分に無いもの」を見ているマルコ。そんな二人が互いの気持ちを知って笑顔を交わすシーン。見ている方も笑みがこぼれます。

そして本作の主人公・ジルベール。その環境が変わるのはマルコはじめ、様々な人からの「親切」を受けてのもの。どちらかというと受け身な姿勢が目立つ彼。しかし1巻終盤では彼の能動的な「気持ち」が描かれ、これからの彼の世界が広がっていく様を期待させます。

きっかけは何でもいいんですよね。でもそのきっかけを良い方向に転じすることができるかどうかは自分次第。若き料理人はこれからどのような道を歩むのか。楽しみです。

漫画データ
タイトル:Artiste 1巻 (バンチコミックス)著者:さもえど太郎出版社:新潮社発行日:2017-04-08