漫画を読まない人にも、「これ面白いよ!」と勧めたくなる漫画があります。この「決してマネしないでください。」もそんな漫画の一つ。
作者は蛇蔵氏。「日本人の知らない日本語」の作者さん、と言えばピン!とくる方もいるのでは。「決してマネしないでください。」は全3巻完結済み。理系+ラブコメの新感覚漫画です。
「決してマネしないでください。」レビュー
あらすじ
主人公・掛田くんは、工科医大にて理論物理を専攻する学生。
学食のおばさん(というかお姉さん)・飯島さんに恋をして、一世一代の告白をするもあえなく撃沈。そもそも女子と話すスキルがなく、飯島さんに告白とも気付いてもらえなかった。
「大体のことは一度や二度や三度や四度、失敗する。勝負はそれからだ!」
ゼミ教授・高科先生、愉快な学生・有栖くん、留学生・テレスくんの協力のもと、理系的な前向きさで立ち直る掛田くん。まずは彼女と仲良くなろう、と飯島さんを交えて実験を行うが…?
タイトルからすでに面白い
第1巻、各話のタイトルは以下の通り。
- Q1.スタントマンはなぜ炎にまかれても平気なのか?
- Q2.人類はなぜご飯を食べる前に手を洗うのか?
- Q3.字も書けない青年はどうやって名医になったのか?
- Q4.切れた蛍光灯を灯すにはどうすればいいのか?
- Q5.科学者にとって最もホラーな出来事とは?
- Q6.なぜ2月は28日しかないのか?
うん、もうタイトルだけでいろいろ気になりますね(笑)。なぜ○○なのか?という科学系Q&Aの問いかけ。その答えが知りたい!と思わせる内容です。
恋のアプローチから実験へ
掛田くんから飯島さんへのアプローチ(になってるのかなってないのか)が、仲間の協力のもと、おもしろ実験の中で行われる。というのが各話の基本的な構成。
私、ガチガチの文系でして。難しい話は苦手な方。ですが本作では理系実験の様子がわかりやすく描かれているので、抵抗なくスッと読めました。
コメディ部分もテンポよく笑いがあり、掛田くんと飯島さんの距離感も絶妙。掛田くんの口説き文句が面白いんですよね。「僕と貴方の収束性と総和可能性をi(アイ)で解析しませんか?」とかw。
偉人うんちくが面白い
各話ではテーマに沿った偉人の話も織り込まれるのですが、これも適度に毒があって面白い。
うんちく、って漫画に混ぜ込むと、おもしろく無い時はつい飛ばしがち。ですが「決してマネしないでください。」は、ストーリーとうんちくのなじませ方がウマイ。「漫画で読むおもしろ偉人伝」みたいな感じで、これ単体でも成立するんじゃないでしょうか。
特に印象的だったのは「Q3.字も書けない青年はどうやって名医になったのか?」で登場のジョン・ハンターの話。18世紀イギリスを生きた「近代外科の祖」ハンターは、兄の研究のために死体ドロボウをし、それがきっかけで解剖に目覚めた人物。
なんやかんやしてドリトル先生のモデルとなり、なんやかんやで「ジキルとハイド」のモデルになったそうな。その「なんやかんや」が絶妙に面白い!詳しくは本編でぜひ。
まとめ
そんな漫画「決してマネしないでください。」。タイトルは「決してマネしないで~」ですが、各巻末には実験「是非ともマネしてください。」を収録。ユーモアがあっていいですね。3巻にはひと味変わったトランプゲーム、「素数大富豪」のルールも収録されています。
実験だけでなく、掛田くんと飯島さんの恋の結末も気になるところ。青年誌連載ですが、実験以外は過激な表現もないので(笑)、老若男女に勧められるおもしろ理系漫画です。特に学生さんが読むと、理系への興味が湧くんじゃないでしょうか。
え?逆に幻滅する?知らんw。
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