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「赫のグリモア」―「書の魔獣」を操る魔道士たちの戦い描くダークファンタジー

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登場人物は美少女率高め。しかしこれはまごうかたなき、王道の少年漫画だ!

A-10(えーてん)さん描くダークファンタジー「赫のグリモア」(あかのぐりもあ)です。カバーで不敵な笑みを浮かべるは、「書の魔獣」である「あかずきん」。カワイイ顔とは裏腹に、その性格は…?

「赫のグリモア」感想・レビュー

概要

「赫のグリモア」の連載は別冊少年マガジン。講談社のWeb漫画メディア「マガポケ」でも一部が無料で読めます。

赫のグリモア - A-10 / 【第1頁】Beautiful Stranger | マガポケ
平凡な女子中学生・若葉が祖母から相続した巨大な洋館。そこで若葉が出会ったのは地下に幽閉された謎の少女。彼女を解放したことで、若葉は古より続く魔女たちの戦いに巻き込まれていく。

作者・A-10さんのツイッターでも、「死んだひいおばあちゃんが魔法少女だった」というタイトルで、第一話がまるっと公開されています。こちらから試し読みをどうぞ。

あらすじ

亡くなった曾祖母・茜より、彼女の屋敷と絵画の全てを相続した主人公・大麦若葉。ひとり屋敷の中を探検すると、謎の部屋を発見。遺産と同時に受け取った謎の万年筆(?)をキーに扉を開くと、そこには紅い鎖に繋がれた蒼い目の美少女が。

自らを「あかずきん」と名乗る彼女は、かつて「書の魔導士」であった茜と契約していた「魔導書(グリモア)」。先の大戦にて伝説の魔女として暗躍した茜と共に、国を襲った災いを消して回っていた、と言う。

そこに襲いかかる、屋敷のトラップ。危機に陥る若葉に、あかずきんは自分を自由にすることでお前を助けてやる、と持ちかけるが…?

赫のグリモア(1) (週刊少年マガジンコミックス)A-10:講談社

絵を具現化する「魔女」

以上が「赫のグリモア」の始まり。第一話では若葉が「書の魔導士」として目覚め、あかずきんと契約関係を結ぶまで、が描かれます。

この魔女ならぬ、書の魔導士という設定がユニーク。「魔筆」(若葉が茜から託された万年筆様の筆記具)で描かれた絵を、触ったり抜き出したりできるのが、その能力。例えば「銃の絵」を描けば、絵の中の銃を取り出して具現化できる、ということ。

そしてあかずきんのような「書の魔獣」と契約し、特定の「句」によって使役できる、書の魔導士。一般人の預かり知らぬ闇の世界で活躍してきた、という世界観です。

ダークな魅力のあかずきん

曾祖母・茜の屋敷で若葉が出会ったあかずきん。茜と契約していた書の魔獣ですが、最強クラスの力を持ちながら、粗暴にして凶悪な性格の持ち主。その目的は茜との契約を破棄し、自由になること。

彼女の立場は「うしおととら」の「とら」に近い、と言えばわかりやすいでしょうか。強大なパワーを持ち、主人公と共闘する、と見せかけながらも、虎視眈々と反旗を翻す機会を窺う、気の許せない存在

A-10氏のツイッターによると、彼女は出版社の編集さんからアドバイスを受けて輝き出したキャラクターとのこと。正統派のキャラクターではなく、暴虐の限りを尽くす敵役にスポットを当てたら面白いのでは?から主役クラスになったあかずきん。

そのアドバイス通り、かわいい外見とは裏腹の「凶悪な魅力」を放つキャラクター。憎たらしい表情・言動・行動をこれでもか!と行います。

が、どこか憎めず、むしろ次に何をしでかすのか気になってしょうがなくなる、不思議な存在。結局契約に縛られてしおらしくなるのも可愛らしい(笑)。魅力的なダークヒーロー(ヒロイン)です。

王道の少年漫画的展開

第一話では若葉が凶暴なあかずきんを相手に、曽祖父から魔女の資格を受け継いで「書の魔道士」として目覚めていく姿が描かれます。その中で印象的なのが、あかずきんの凶悪性と、ごく普通の少女だった若葉が見せる「予想外の力強さ」。

彼女たちがパートナーとなる過程には、アッと驚く仕掛けがあり、読ませる序章となっているのですが、この「主人公が未知の力に出会って、冒険の扉を開いていく」という幕開け、少年漫画の王道的展開で、手に汗握る面白さを味あわせてくれます。

また2話以降は人型ではない「書の魔獣」、そしてそれらを操る魔導士たちが登場。さらに謎の組織「機構(ゲゼルシャフト)」も現れ、さて、若葉とあかずきんのコンビはどこへ向かうのか?ダークな冒険世界の広がりと、迫力のバトルが楽しみです。

まとめ

以上、「赫のグリモア」の感想・レビューでした。ドキドキの少年漫画展開と、ダークファンタジーの魅力が詰まった漫画。読み応えを感じると同時に、まだまだ謎の多い「魔導書」の世界がどのように描かれていくのか。今後の展開も期待です。

なお作者のA-10さんは、少年漫画の連載・単行本化は初めてのよう。ですが成人向けの作品をいくつか刊行されています。「赫のグリモア」を読んだ後はそちらもチェックしたいところですが、良い子は大きくなってからにしよう!

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