全1巻で完結する長編ストーリー漫画・おすすめ40選

これまでに読んだ漫画の中からチョイスした、全1巻で完結するおもしろいストーリー漫画40選です。

基本的に、1巻で完結している長編漫画(一部中編もあり)のご紹介です。

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我らコンタクティ

我らコンタクティ (アフタヌーンコミックス)森田るい:講談社

森田るいさんの「我らコンタクティ」。

小学校以来の再会を果たした同級生男女。彼女らが宇宙人へのメッセージとして、「あるもの」を搭載したロケットを打ち上げようとする話

約250ページのボリュームながら、テンポよく展開される物語。

個人によるロケット開発ならではの、フリーダムな楽しさが伝わってくるストーリー漫画。


[森田るい 著 講談社「我らコンタクティ」より引用]

ちょっとゲスいヒロイン・カナエはじめ、ロケットを独力で開発する青年・かずきなど、特異なキャラクターたちも魅力的。

独特のユーモアを絡めながら、カナエたちが「駆け抜けていく」様子が心地よい、街のロケット開発物語です。

二本松兄妹と木造渓谷の冒険

二本松兄妹と木造渓谷の冒険 (ヤングキングコミックス)水上悟志:少年画報社

水上悟志さんの「二本松兄妹と木造渓谷の冒険」。

拝み屋の兄妹と、そのライバルである退魔師

彼らが幸運の座敷童子と、彼女の故郷である異界・木造渓谷をめぐってドタバタを繰り広げる、オカルト・コメディ漫画。

全1巻で世界観を練り上げ、きっちりと完結させ、そしてまだまだ、その世界を広げることができそうな物語の作り方。

続編を読んでみたい!と思わせられる作品。作者・水上悟志さんの熟練の手腕を感じます。

水上悟志「二本松兄妹と木造渓谷の冒険」
[水上悟志 著 少年画報社「二本松兄妹と木造渓谷の冒険」より引用]

ちょっと変わったヒーロー・二本松兄妹と、退魔師率いるすずめ軍団の戦い。

そして異次元の広がりを見せる木造渓谷で展開される、迫力のアクション。

終盤の盛り上がりは燃える!

邪眼は月輪に飛ぶ

邪眼は月輪に飛ぶ (ビッグコミックス)藤田和日郎:小学館

藤田和日郎さんの「邪眼は月輪に飛ぶ」。

眼が合ったものを即死させる巨大フクロウ・ミネルヴァと、それを追う猟師・祈祷師・米軍人たちの戦いを描く、オカルト・アクション漫画。

藤田和日郎「邪眼は月輪に飛ぶ」
[藤田和日郎 著 小学館「邪眼は月輪に飛ぶ」より引用]

「見られたら死ぬ」という緊張感と、ノンストップで描かれる戦いのスピード感がスゴイ。

読み終わった後、フーッ、と思わず深く息を吐いてしまう没入感があります。

全1巻ながら、主要登場人物すべてに魅力的なキャラクター性を持たせ、敵役であるミネルヴァにさえストーリーを作る描き方もお見事。充実の読み応えを持つ一作です。

ネメシスの杖

ネメシスの杖(1) (アフタヌーンコミックス)朱戸アオ:講談社

「リウーを待ちながら」の作者、朱戸アオさんの「ネメシスの杖」。

何者かによって引き起こされた、致死性の病気を引き起こす寄生虫の感染事件。厚労省の女性役人と変わり者の医学博士が事件の謎に迫る、医療サスペンス漫画です。

朱戸アオ「ネメシスの杖」
[朱戸アオ 著 講談社「ネメシスの杖」より引用]

薬害事件やお役所の体質など、社会的な問題も提起。2時間ドラマの原作にできるクオリティ

真っ直ぐな行動力を持つ主人公・阿里玲と、彼女の相棒となる義手の科学者・紐倉博士のバディも魅力的。

ミステリー・サスペンスらしい緊迫感が物語全体に漂う、隠れた名作です。

インハンド 紐倉博士とまじめな右腕

インハンド 紐倉博士とまじめな右腕 (アフタヌーンコミックス)朱戸アオ:講談社

同じく朱戸アオさんの「インハンド 紐倉博士とまじめな右腕」。

「ネメシスの杖」に登場した紐倉博士が、新たな相棒と3つの事件に挑む医療サスペンス漫画(中編3つなので全1巻漫画扱いで)。

朱戸アオ「インハンド 紐倉博士とまじめな右腕」
[朱戸アオ 著 講談社「インハンド 紐倉博士とまじめな右腕」より引用]

若返り、遺伝、進化、生存競争など、人間と医学・医療の興味深い問題をミステリー仕立てにした作品群。

どれを読んでもドキドキする、中編とは思えない読み応えを感じられる漫画です。

「ネメシスの杖」ではクールさが際立った紐倉博士ですが、本作ではおちゃらけた感じを醸し出しているのもおもしろい。

さらなる続編を読んでみたい!と思わせる、高いクオリティのサスペンス漫画です。

※本作は2018年10月に「インハンド」として続編が始まりました!というわけで厳密には全1巻ではなくなってしまったのですが、おもしろいのでぜひ!読んでみてください。

Silent Blue

Silent Blue (FEEL COMICS)安堂維子里:祥伝社

安堂維子里さんの「Silent Blue」。

隕石が落下してできた湖。そこに眠る「街」と「記憶」を求めて、湖の底にダイブする女性を描くSF漫画

安堂維子里「Silent Blue」
[安堂維子里 著 祥伝社「Silent Blue」より引用]

純粋な気持ちで、湖へのダイブを繰り返す主人公・あおこ。彼女が潜水する際のファンタジックな表現は、思わずハッとする美しさがあります。

安堂維子里さんの作品らしいみずみずしさが全編に漂い、読後には爽やかな気持ちになる作品。

モノクロ漫画なのに、不思議と蒼い景色が目に浮かぶような。

外天楼

外天楼 (講談社コミックス)石黒正数:講談社

石黒正数さんの「外天楼」。

外天楼(げてんろう)という変わった名前の集合住宅を舞台に、そこに集う人々をコミカルに描くオムニバス。

…かと思いきや、徐々に物語は一本の線でつながり、終盤で予想外の展開を見せるサスペンス風味の漫画へと変貌。

石黒正数「外天楼」
[石黒正数 著 講談社「外天楼」より引用]

石黒正数作品らしい笑いを楽しんでいると、知らぬ間に真顔になっていく。トリッキーな構成に、思わず繰り返し読んでしまう漫画。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない押見 修造:太田出版

押見修造さんの「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」。

吃音症の少女とその友人たちの、不器用な友情を描く青春ストーリー

押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」
[押見修造 著 太田出版「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」より引用]

自分の名前がスムーズに発音できずに、引っ込み思案となる志乃。しかし彼女の苦しみだけではなく、彼女もまた友人を傷つけてしまう様が描かれる点が秀逸。

志乃を悲劇のヒロインとせず、あくまでも等身大の高校生として描いているところが、物語に深みを生み出しています。

志乃や友人たち、各キャラクターの表情も素晴らしい。胸を打つ最終話は必見。

ヘウレーカ

ヘウレーカ (ジェッツコミックス)岩明均:白泉社

岩明均さんの「ヘウレーカ」。

紀元前200余年のシチリアを舞台に、アルキメデスの弟子となった青年・ダミッポスの生きざまが描かれます。

アルキメデスの発明した奇想天外な兵器が、敵を破壊的に駆逐していく様。それに負けじと、知恵を働かせるダミッポスの活躍が見どころ。

岩明均「ヘウレーカ」
[岩明均 著 白泉社「ヘウレーカ」より引用]

しかし敵対民族である恋人の命運を左右する出来事が、やがて起こり…。

全1巻に歴史ロマンが詰まった名作。

夕凪の街 桜の国

夕凪の街 桜の国 (アクションコミックス)こうの史代:双葉社

こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」。

原爆投下から10年経ったヒロシマを生きた一人の女性と、現代を生きる血縁の女性が全3編で描かれます。

戦争・原爆というシリアスなテーマですが、こうの史代さんの柔らかな筆致で読みやすく、そしてまた心に残る作品。

ラストの主人公のセリフ、何度読んでも涙が出る。時々でいいから、こういう漫画を読むのって大事だと思うの。

雑草たちよ 大志を抱け

雑草たちよ 大志を抱け (FEEL COMICS swing)池辺葵:祥伝社

池辺葵さんの「雑草たちよ 大志を抱け」。

地方都市に通う、ちょっと地味な女子高生たちの心の交流を描いた連作集。

池辺葵「雑草たちよ 大志を抱け」
[池辺葵 著 池辺葵「雑草たちよ 大志を抱け」より引用]

みんながちょっとずつ、他の誰かにやさしさを分け与えているんだ。そんなことを感じずにはいられない、温かみの漂う漫画。

池辺葵さんらしい「間」も絶妙。エピローグで描かれるメッセージは本当にステキ

ネムルバカ

ネムルバカ (RYU COMICS)石黒正数:徳間書店(リュウ・コミックス)

石黒正数さんの「ネムルバカ」。

「それでも町は廻っている」の歩鳥と紺先輩を彷彿とさせる、二人の女子大生の日常

ゆるゆると二人が大学生活を過ごす様が、笑いを交えながら描かれ、しかしやがて変化の時が訪れる。

同じ時を過ごしているようでいて、実は見ているものが異なっていることもある。そんな小難しいことを考えてしまうような、でもキニスンナと言いたくなるような。

独特のゆるさがおもしろい青春譚

石黒正数「ネムルバカ」
[石黒正数 著 徳間書店「ネムルバカ」より引用]

五色の舟

五色の舟 (ビームコミックス)近藤 ようこ:KADOKAWA / エンターブレイン

津原泰水さんの原作小説を、近藤ようこさんが漫画化した「五色の舟」。

特異な容姿を売りにして、生活費を稼ぐ主人公たち。彼らが未来を予言する半人半妖の妖怪「くだん」を探し求める旅を描く、幻想的な物語。

全編に漂う物悲しさが、なんとも言えない独特の風味を醸し出していて、実に印象的。幻想的で不思議な世界観を描ききった、近藤ようこさんの手腕が光ります。

マッドメン

マッドメン諸星大二郎:河出書房新社

諸星大二郎さんの「マッドメン」。元々は全2巻でしたが、現在は全1巻にまとまって刊行中。

パプアニューギニアの奥地を舞台に、人類学者の娘と、その異母兄弟である少年の不思議な冒険を描く、伝奇オカルト漫画。

未開の文明の持つ独特の精神世界や、少年・コドワを守る怪物の姿をした精霊ン・バギ、日本の神話と絡めたストーリーなど、他に類例を見ない魅力を持つ作品。

これ、少年誌に掲載されてたんだぜ…!今読んでもおもしろい漫画。おすすめ。

ヘルタースケルター

ヘルタースケルター (FEEL COMICS)岡崎京子:祥伝社

岡崎京子さんの「ヘルタースケルター」。

整形によって作り上げられたトップ・モデル。その容姿と精神が崩壊していく様を描いたサスペンス漫画。映画化もされました。

「ヘルタースケルター=螺旋状の滑り台」というタイトルの通り、破滅へと突き進む恐怖、そして哀しみが描かれます。ラストは意外な展開で…?

ドミニオン F

【電子版】ドミニオン F (カドカワデジタルコミックス)士郎 正宗:KADOKAWA / 角川書店

士郎正宗さんの「ドミニオン F」。

大気汚染により、マスクが手放せなくなった近未来。戦車隊の婦警と、泥棒一味のドタバタを描くSF漫画

続編的な「ドミニオン C」もありますが、そちらはアナザーストーリー的な扱い。基本はこの一巻で完結しています。

カワイイ戦車「ボナパルト」を駆るレオナと、大泥棒ブアク+ケモノ耳の双子らの戦い。コミカルに描かれつつも、士郎正宗漫画らしい緻密なSF描写がたまりません。

士郎正宗「ドミニオン F」
[士郎正宗 著 KADOKAWA/角川書店「【電子版】ドミニオン F」より引用]

星のポン子と豆腐屋れい子

星のポン子と豆腐屋れい子 (アフタヌーンコミックス)小原愼司:講談社

小原愼司さん原作・トニーたけざきさん作画の、「星のポン子と豆腐屋れい子」。

宇宙から来た不思議なキツネ型宇宙人「ポン子」と、豆腐屋姉弟のほっこり交流を描いたSF

…と思いきや?

ネタバレしてしまうとおもしろくないので詳細は語りませんが、予備知識無しで読むときっと楽しめるでしょう。愉快なSFストーリー漫画です。

小原愼司/トニーたけざき「星のポン子と豆腐屋れい子」
[小原愼司/トニーたけざき 著 講談社「星のポン子と豆腐屋れい子」より引用]

キラリティ

キラリティ(1) (ヤングキングコミックス)大石まさる:少年画報社

大石まさるさんの「キラリティ」。

小惑星帯に住む双子兄妹が、身分を偽ってスペースコロニーの曳航船に乗り込む。果たしてその目的は?というSF漫画。

リアルなSF描写と、スケールの大きい設定が魅力的な作品。立場を入れ替えて活動する双子、キラとラリティの元気な活躍が見もの。

本作は、正確には「ライプニッツ」シリーズの一作。ですが不思議な宇宙ネコが出て来る、ということだけ知っていればOK。

基本的に全1巻で完結しているストーリー漫画です。

大石まさる「キラリティ」
[大石まさる 著 少年画報社「キラリティ」より引用]

アーサー・ピューティーは夜の魔女

アーサー・ピューティーは夜の魔女 (MFコミックス フラッパーシリーズ)木々津克久:KADOKAWA / メディアファクトリー

木々津克久さんの「アーサー・ピューティーは夜の魔女」。

高位の存在である魔女とその従者が、人間にその存在を脅かされ放浪の旅を続ける、というオカルトSF漫画。

支配するものとされるものの立場が逆転、という世界観がおもしろい。木々津さんらしいブラックでシニカルなエピソードが満載で、読んでいて飽きません。

先に「ヘレンesp」全2巻を読んでおくと、より本作が楽しめるでしょう。

木々津克久「アーサー・ピューティーは夜の魔女」
[木々津克久 著 KADOKAWA/メディアファクトリー「アーサー・ピューティーは夜の魔女」より引用]

ブレイン・トラッカー リピート・ユーフォリア

ブレイン・トラッカー リピート・ユーフォリア (モーニングコミックス)多田乃伸明:講談社

多田乃伸明さんの「ブレイン・トラッカー リピート・ユーフォリア」。

電脳化した人間たちが住む街で、異常をきたした脳を回収する「ブレイン・トラッカー(脳探し屋)」

その一人である主人公が、かつて愛した人の影を追いながら、真実に迫る姿を描く、ハードボイルドSF。

ブレードランナー的な退廃した世界観と、よく練られたセリフ回し。まさに漫画で読むハードボイルド。クセになる雰囲気を持つストーリー漫画です。

夜よる傍に

夜よる傍に (ビームコミックス)森泉 岳土:KADOKAWA / エンターブレイン

森泉岳土さんの「夜よる傍に」。

不眠症の青年と、夜にのみ視力の回復する少女。夜に出会った二人が、幻の絵本「夜をさがして」をめぐって不思議な体験をする、という幻想的なストーリー。

墨や楊枝を用いた独特な技法で漫画を描く森泉岳土さん。描かれる「夜の世界」は一見の価値あり。ファンタジックな物語に読者を誘ってくれます。

森泉岳土「夜よる傍に」
[森泉岳土 著 KADOKAWA/エンターブレイン「夜よる傍に」より引用]

天国の魚(パラダイス・フィッシュ)

天国の魚(パラダイス・フィッシュ)高山 和雅:青林工藝舎

高山和雅さんの「天国の魚(パラダイス・フィッシュ)」。

地球に衝突する巨大彗星から逃れるために、シェルターへ非難した5人の家族。

大津波の衝撃から目覚めた時、家族は過去の世界へ。そんな彼らの数奇な運命を描くSF漫画。

淡々と、静かに描かれる家族の流転と、彼らを包む世界に隠された秘密。その全てが明らかになる時、きっと衝撃を受けるでしょう。正統派の全1巻SF漫画です。

霧の中のラプンツェル

霧の中のラプンツェル (アクションコミックス)あらい・まりこ:双葉社

あらい・まりこさんの「霧の中のラプンツェル」。

ナチスが政権を握る時代のドイツ。ユダヤ人少女・ラケルと家族の悲劇的な結末が、「ラプンツェル」の物語になぞらえて描かれます。

あらい・まりこさんらしい、ユーモアを交えて描かれるストーリー。しかし徐々に過酷になっていく環境から、読者は目が離せなくなっていきます。

真正面から「戦争」というテーマに取り組んだ、意欲的な漫画作品

FLIP-FLAP

FLIP-FLAP (FUNUKE LABEL)とよ田みのる:

とよ田みのるさんの「FLIP-FLAP」。

いたって普通の青年が、ピンボール好きの女の子に恋をした。彼女と付き合うための条件は、あるピンボール台のハイスコアを超えること。

その日から普通の青年の、普通じゃないピンボールライフが始まった!

カラッと楽しく、ピンボールの魅力を絡めながら描かれる、青春恋愛ストーリー。読み終わる頃には、きっとピンボールがしたくなっているはず。ユニークな作品です。

とよ田みのる「FLIP-FLAP」
[とよ田みのる 著 FUNUKE LABEL「FLIP-FLAP」より引用]

Final Phase

Final Phase (PHPコミックス)朱戸アオ:PHP研究所

「リウーを待ちながら」の原型でもある、朱戸アオさんの「Final Phase」。

湾岸地区を襲う原因不明の病気と、それに立ち向かう医師たちを描いた、本格医療サスペンス漫画。実際に起こってもおかしくないパンデミックが、リアルな筆致で描かれます。

謎の感染症の前に人々は次々と倒れ、悪化の一途をたどる事態。その緊迫感が、読者に容赦のない恐ろしさを与えます。

朱戸アオ「Final Phase」
[朱戸アオ 著 PHP研究所「Final Phase」より引用]

新月を左に旋回

新月を左に旋回 (A.L.C. DX もっと!)衿沢世衣子:秋田書店

衿沢世衣子さんの「新月を左に旋回」。

謎の留学をした姉と入れ替わるように、中学生のユウコのもとに来た不思議な少女・このは。

そんな二人のゆるふわな日常を描く、衿沢世衣子版「オバ◯」的な漫画

衿沢世衣子作品には珍しく、少しダークな雰囲気も漂わせていて、なかなか新鮮な読み心地。構えずに読めるファンタジー漫画です。


[衿沢世衣子 著 秋田書店「新月を左に旋回」より引用]

大平面の小さな罪

大平面の小さな罪 (HARTA COMIX)岡崎 二郎:KADOKAWA / エンターブレイン

岡崎二郎さんの「大平面の小さな罪」。

世界の全ての平面を管理する「平面管理委員会」。その局員である女性と一般男性が手を組んで、平面に関わる犯罪を痛快に解決するコメディSF。

絵画・お札から入れ墨まで、「平面」ならばなんでもコントロールできる平面管理委員会、という岡崎二郎さんらしいユニークな発想が楽しい、全1巻完結漫画。

アンダーカレント

アンダーカレント アフタヌーンKCDX豊田 徹也:講談社

豊田徹也さんの「アンダーカレント」。

銭湯を営む女性のもとから、突然失踪した夫。茫然自失のなか営業を再開した銭湯に、組合から紹介されたという寡黙な男が現れて―という、大人のドラマ

時折、豊田徹也さんらしいジョークを挟みながらも、しっとりと男と女の心の通い合いが描かれる。

一本の映画を見終わったかのような読後感のある、ストーリー漫画です。

愛蔵版 あのこにもらった音楽

愛蔵版 あのこにもらった音楽 (花とゆめコミックス)勝田文:白泉社

勝田文さんの「愛蔵版 あのこにもらった音楽」。

旅館の息子であるピアニストと、故あって旅館で家族同然に育ってきた女性。一回り以上歳の差のある二人が結婚して、ドタバタをくりひろげるマリッジ・コメディ

歳の差、と言ってもイヤンな感じはまったくなく、勝田文作品らしい、カラッとした陽気さが魅力。読んでいると気持ちが軽く、温かくなってきます。

勝田文「愛蔵版 あのこにもらった音楽」
[勝田文 著 白泉社「愛蔵版 あのこにもらった音楽」より引用]

雪女幻想 みちゆき篇

雪女幻想 みちゆき篇 (FEEL COMICS)安堂維子里:祥伝社

安堂維子里さんの「雪女幻想 みちゆき篇」。

添い遂げる男を探して渡り歩く魔性の雪女と、彼女を追う男の、悲劇的にして幻想的な物語

全編落ち着いた、しっとりする空気の漂う大人の漫画。しかし読んでいると徐々に冷え冷えしてくるような、狂気・ホラー感も。

恐ろしくも哀しい、現代の雪女物語。

安堂維子里「雪女幻想 みちゆき篇」
[安堂維子里 著 祥伝社「雪女幻想 みちゆき篇」より引用]

雪の峠・剣の舞

雪の峠・剣の舞 (講談社漫画文庫)岩明 均:講談社

ボリュームのある中編二つを収録した、岩明均さんの「雪の峠・剣の舞」。

戦国時代の後、領内の築城をめぐる老家臣たちと若者の、静かな戦いを描く「雪の峠」。

竹刀発明のエピソードを、復讐を目指す少女と剣豪を絡めて描く「剣の舞」。

いずれも実在の人物が登場する二編。岩明均さんならではの練りに練られたエピソード、読み応えがあります。文句なしのおもしろさを持つ一作。

はるかリフレイン

はるかリフレイン伊藤 伸平:復刊ドットコム

伊藤伸平さんの「はるかリフレイン」。

自動車事故で恋人を失ってしまった女子高生・はるか。彼女が死の運命から恋人を救うために時をかける、というタイムループSF

さわやかで、ちょっとせつなくなるストーリー漫画。進研ゼミ「高一Challenge」に連載されていたという異色の作品です。

少女ゴーレムと理科室の変人たち

少女ゴーレムと理科室の変人たち (Nemuki+コミックス)榎本 ナリコ:朝日新聞出版

榎本ナリコさんの「少女ゴーレムと理科室の変人たち」。

生物部の男子によって創られた人造少女と、彼らに否応なく巻き込まれた女子高生の受難を描く、オカルト・コメディ。

ファンタジーだけでなく、鉱石や化合物などの化学知識が織り込まれていて、新鮮な読み心地。基本的には笑えるストーリーですが、時にコワイのもオカルトっぽくて良い。

とりあえずは全1巻で完結していますが、続きが読みたい漫画です。

Love, Hate, Love.

Love,Hate,Love. (FEEL COMICS)ヤマシタトモコ:祥伝社

ヤマシタトモコさんの「Love, Hate, Love.」。

28歳にしてバージンのバレエダンサーと、二回り年上の大学教授。マンションの隣同士である二人の、ぎこちない恋愛を描くストーリー。

ヤマシタトモコさんらしいアンニュイな雰囲気の漂う、大人のドラマ。安易に肉体関係に依らずに、二人の絶妙な距離感を表現しているのはさすが。

U[ユー]

U[ユー]今日 マチ子:太田出版

今日マチ子さんの「U[ユー]」。

女性研究者が作った自分自身のコピーが、やがてオリジナルに殺意を抱くようになり…というSFサスペンス漫画

今日マチ子さんと言えばほっこり・ゆるふわな漫画が多いイメージですが、本作はうっすらとした肌寒さを感じさせてくれます。

柔らかな線で描き出される、独特の恐怖感が印象的。

アイリウム

アイリウム (モーニングコミックス)小出もと貴:講談社

小出もと貴さんの「アイリウム」。

1錠で一日分の記憶を「飛ばす」ことのできる薬・アイリウム。その薬を使った人々に起こる悲喜こもごもを描くオムニバス。

「アイリウム」という小道具は同じながらも、サスペンス、恐怖、ドラマなど描かれる内容が全く異なるという、多彩なアイデアが素晴らしい。

一話一話に異なる読後感があります。

小出もと貴「アイリウム」
[小出もと貴 著 講談社「アイリウム」より引用]

長い道

長い道 (アクションコミックス)こうの史代:双葉社

こうの史代さんの「長い道」。

甲斐性なしのダメ男と、成り行きで夫婦になったおっとり妻の、脳天気な生活をコミカルに描く、全1巻完結漫画。

ダメ男に憤りつつも、その妻・道のちょっと変わった性格がそれをやんわり中和(笑)。人情話あり、ファンタジックな話あり、怖い話あり。

そしてちょっと素敵な話もあったり、のハートフル・コメディ。

YOUNG & FINE

YOUNG&FINE山本 直樹:復刊ドットコム

山本直樹さんの「YOUNG & FINE」。

海辺の田舎町に暮らす高校生。彼女と最後の一線を超えられない関係が続くが、新任女性教師と同居することになって…というコメディ。

山本直樹作品ということで当然それなりのシーンはあるんだけど、不思議と爽やかなのは最後までいかないからなのか(笑)。

主人公と女性教師のなんとかなりそでならない関係も良い。独特の空気感を持つ作品。

ストロボライト

ストロボライト青山 景:太田出版

青山景さんの「ストロボライト」。

文学青年である大学生と、彼が愛するマイナー映画の主演だった同級生女性。二人の出会いとすれ違いを、夜行列車に乗って回想するという形で描く、少し幻想的な青春ストーリー。

漫画なので当然白黒なのですが、本作を読むとそのモノクロ感がより際立つのはなぜなのだろう。

夭折された青山景さんが遺してくれた、決して多くはない漫画の一つ。

The Mark of Watzel

The Mark of Watzel (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)武富智:集英社

武富智さんの「The Mark of Watzel」。

かつてはアクション・スターだったが、今は悪徳セールスマンとなった老俳優ワッツェル

彼のファンである脳腫瘍を持つ少女を、イメージ療法で救うサポートを引き受けるが…というお話。

少女がイメージの中で、ヒーローとして躍動する姿が素晴らしい。ファンタジーではなく、人間ドラマがメインの作品です。

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