1冊でも濃厚!おすすめの全1巻完結ストーリー漫画まとめ

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手軽に読めて濃厚な物語感がスゴイ!全1巻で完結する、面白いストーリー漫画のまとめです。

短編漫画集ではなく、「物語が1冊で終わる全1巻完結漫画」をまとめています(一部、中編収録作品もあり)。

全1巻完結ストーリー漫画リスト

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

押見修造さんの「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」。自分の名前がスムーズに発音できないがために、引っ込み思案な志乃。友人となった加代に「文化祭のステージに歌で出ないか」と誘われるが…?

吃音症の少女と友人たちの、不器用な友情を描く青春ストーリー。セリフを多用せず、キャラクターの表情や雰囲気でその胸の内を描き出す、押見修造氏の表現力が素晴らしい!

最終話は予想外の迫力に打ちのめされる…!

ヘウレーカ

岩明均さんの「ヘウレーカ」。紀元前200余年のシチリアを舞台に、アルキメデスの弟子となった青年・ダミッポスの生きざまを描く全1巻。

ローマに攻め入った敵を破壊的に駆逐していくアルキメデス発明の奇想天外な兵器と、師匠に負けじと知恵を働かせるダミッポスの活躍が圧巻。しかし敵対民族であるダミッポスの恋人に危機が…。岩明均ならではの豊かな発想と歴史ロマンが詰まっています。

ルックバック

藤本タツキさんの「ルックバック」。学級新聞の漫画担当として「ライバル」だった2人の女子小学生が、卒業を契機にコンビを結成。漫画家としてのキャリアを積み重ねた彼女たちは、やがて…?という創作青春物語

とにかく「背中」が印象的な漫画。カバー絵から始まり、作中の至るところで描かれる主人公の背中。セリフは無いのにそれらが語る「言葉」、そして「物語」が、読者を掴んで離さない。作者の漫画力に圧倒されます

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マイ・ブロークン・マリコ

(テメエに)弔われたって!!白々しくてヘドが出ンだよぉ!!!

親友・マリコの死を知ったOL・シイノ。彼女にDVを続けていた父親を急襲、遺骨を奪って走り出す…!平庫ワカさんの全1巻ストーリー漫画「マイ・ブロークン・マリコ」。

亡き親友の骨を抱き、彼女の行きたがっていた海へ向かうシイノの、圧倒的にほとばしる生命感。そして彼女が輝けば輝くほど、相対的に浮かび上がってくるマリコの死が印象的。全編からシイノの叫びが突き刺さる全1巻です。

カラオケ行こ!

和山やまさんの「カラオケ行こ!」。組のカラオケ大会に備え歌唱力をアップしたいヤクザ・狂児と、彼に目をつけられレッスンをする羽目になった合唱部部長・聡実。二人の不可思議な交流を描くコメディ漫画。

カラオケ店に中学生を拉致るマイペースな狂児と、イヤイヤながらも彼に親近感を抱いていく聡実。二人のギャップから生まれる笑いが、絶妙な面白さ。しかし終盤、予想外の展開が…?終始読み手を圧倒する、イケメンヤクザ・狂児の存在感がスゴイ

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邪眼は月輪に飛ぶ

藤田和日郎さんの「邪眼は月輪(がちりん)に飛ぶ」。眼が合ったものを即死させる巨大フクロウ・ミネルヴァと、それを追う猟師・祈祷師・米軍人たちの戦いを描く、オカルト・アクション漫画。

「見られたら死ぬ」という緊張感の中、ノンストップで展開される戦いのスピード感が圧倒的!主要登場人物すべてに魅力的なキャラクター性を持たせ、さらに敵役・ミネルヴァにさえストーリーを作る、藤田和日郎さんの手腕がスゴすぎる。

春風のスネグラチカ

沙村広明さんの「春風のスネグラチカ」。1930年代のソ連、車椅子に乗る美貌の「姉」と、その手助けをする隻眼の「弟」。秘密警察の追求を受けながらも、「とある別荘」にこだわる二人の目的とは?

ロシア革命を経て建国されたソ連邦。劇的に変化、殺伐とした空気を漂わせる社会にて展開される、歴史ロマンあふれる物語。話が進むにつれ、徐々に明らかになってくる「二人の秘密」に、静かなドキドキを感じます。

マッドメン

諸星大二郎さんの「マッドメン」。パプアニューギニアの奥地を舞台に、人類学者の日本人少女と、その異母兄弟である現地少年の不思議な冒険を描く、伝奇オカルト漫画

未開の文明の持つ独特の精神世界や、少年・コドワを守る怪物の姿をした精霊ン・バギ、日本の神話と絡めたストーリーなど、他に類例を見ない民俗学的な魅力を持つ作品。今読むと、「これ、少年誌に掲載されてたのか…!」と驚かずにはいられない。

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1年1組 うちのクラスの女子がヤバい

衿沢世衣子さんの『1年1組 うちのクラスの女子がヤバい』。かつて講談社より全3巻で刊行されていた作品を改題、全1巻漫画として再刊行したもの。

女子にのみ発現する超能力「無用力」が引き起こすトラブルと、それによって成長していく少年少女を描く青春コメディ。ポップなタッチで綴られるライトなストーリーが、心に爽やかな気持ちを残していきます。続編『2年1組 うちのクラスの女子がヤバい』も連載中。

もろびとこぞりて

ウチヤマユージさんの『もろびとこぞりて』。クリスマス・イブに起こった、通り魔による無差別連続殺傷事件。それから二年後、とある町に越してきた家族に向けられる「世間の目」はやがて…というブラックなサスペンス。

犯罪が起これば被害者家族だけでなく、そこには「加害者家族」が産まれ、そして向けられる悪意…。サラリと読めて、しかし深みを感じる全1巻。予備知識無しで読むことをオススメします。

Final Phase

湾岸地区を襲う原因不明の病気と、それに立ち向かう医師たちを描いた、本格医療サスペンス漫画。朱戸アオさんの「Final Phase」。実際に起こってもおかしくないパンデミックが、リアルな筆致で描かれます。

謎の感染症の前に人々は次々と倒れ、悪化の一途をたどる事態。その緊迫感が読者に容赦のない恐ろしさを与える、朱戸アオ医療サスペンスの原点的な作品。後に描かれる「リウーを待ちながら」全3巻の原型ともなった全1巻漫画です。

アンダーカレント

豊田徹也さんの「アンダーカレント」。銭湯を営む女性のもとから、突然失踪した夫。茫然自失のなか営業を再開した銭湯に、寡黙な男が現れて…。

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時折ジョークを挟みながらも、しっとりと男と女の心の通い合いが描かれる大人のドラマ。一本の映画を見終わったかのような読後感のある、ストーリー漫画です。

天国の魚(パラダイス・フィッシュ)

高山和雅さんの「天国の魚(パラダイス・フィッシュ)」。地球に衝突する巨大彗星から逃れるために、シェルターへ非難した5人の家族。大津波の衝撃から目覚めた時、家族は過去の世界へ。彼らの数奇な運命を描くSF漫画

淡々と、静かに描かれる家族の流転と、彼らを包む世界に隠された秘密。その全てが明らかになる時、きっと衝撃を受けるでしょう。正統派の全1巻SF漫画です。

バビロンまでは何光年?

道満晴明さんの「バビロンまでは何光年?」。地球が謎の爆発、ひとり生き残った青年と、彼を偶然助けた宇宙人たち。彼らがスチャラカに旅をする様子をコミカル、かつお下劣に描いたコメディSF

序盤、やたら宇宙人たちとS○Xしたがる主人公(笑)。が、実はそれがのちのちのストーリーに繋がる伏線だったりするから侮れない。一見適当。しかし物語が進むに連れ、真実が見えてくるという趣向は、これぞ全1巻漫画の醍醐味。お下品な笑いもGood!

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夕凪の街 桜の国

こうの史代さんの「夕凪の街 桜の国」。原爆投下から10年経ったヒロシマを生きた一人の女性と、その血縁である現代を生きる女性。二人の人生が全3編で描かれます。

戦争・原爆というシリアスなテーマながら、こうの史代さんの柔らか・ユーモアを絡めた筆致で読みやすく、構えずに読める作品。何度読んでも胸に温かいものが流れてくる、ラストの主人公のセリフがとても印象的。

星のポン子と豆腐屋れい子

原作:小原愼司さん、作画:トニーたけざきさんの「星のポン子と豆腐屋れい子」。宇宙から来た不思議なキツネ型宇宙人「ポン子」と、豆腐屋姉弟のほっこり交流を描いたSF。

…と思いきや?

ネタバレしてしまうとおもしろくないので詳細は語りません。予備知識無しで読むことをオススメします。あんぐり口を開ける展開が待っている、愉快なSFストーリー漫画です。

FLIP-FLAP

とよ田みのるさんの「FLIP-FLAP」。いたって普通の青年が、ピンボール好きの女の子に恋をした。彼女と付き合うための条件は、あるピンボール台のハイスコアを超えること。その日から普通の青年の、普通じゃないピンボールライフが始まった!

カラッと楽しく、ピンボールの魅力を絡めながら描かれる、青春恋愛ストーリー。読み終わる頃には、きっとピンボールがしたくなる。そんな勢いに打ちのめされろ!唯一無二の熱血ピンボール漫画

ネムルバカ

石黒正数さんの「ネムルバカ」。「それでも町は廻っている」の歩鳥と紺先輩を彷彿とさせる、二人の女子大生の日常。彼女たちがゆるゆると大学生活を過ごす様が、笑いを交えながら描かれます。

しかしやがて訪れる変化の時。夢への扉を開いた先輩と、ごく普通の後輩。共通の時間を同じように過ごしているようでいて、実は見ているものが異なっていることもある。独特のゆるさの中に、石黒正数さんらしい独自の視点・心に響くメッセージが込められた青春物語。

五色の舟

津原泰水さんの原作小説を、近藤ようこさんが漫画化した「五色の舟」。特異な容姿を売りにして、生活費を稼ぐ見世物小屋の一座。彼らが未来を予言する半人半妖の妖怪「くだん」を探し求める旅を描く、幻想的な物語。

主人公たちの背負った悲哀と、未来を渇望する気持ち。それらが生み出す、全編に漂うしっとりとした物悲しさが印象的。幻想的で不思議な世界観を描ききった、近藤ようこさんの手腕が光る全1巻漫画です。

犬釘を撃て!

伊図透さんの「犬釘を撃て!」。犬釘とは、鉄軌(レール)を枕木に固定する釘のこと。過酷な鉄道敷設の現場と、それに絡んで蠢く策謀、そして男たちの矜持を、作者独特の筆致で淡々と、しかし力強く描く全1巻。

時には死者も出る環境で、ひたすらレール敷設を繰り返す作業者たち。その現場に送り込まれた調査員は、プライドを持って犬釘を打つ現場管理者に出会い、その心を揺り動かされていく。最高に渋い男のドラマに引き込まれていきます。

なお本作は「辺境で 伊図透作品集」収録の短編「辺境で」の続編。そちらを読んで無くても問題はありませんが、読んでおくとより世界観を理解できるでしょう。

二本松兄妹と木造渓谷の冒険

水上悟志さんの「二本松兄妹と木造渓谷の冒険」。拝み屋兄妹とライバルの退魔師。彼らが幸運の座敷童子と、その故郷である異界・木造渓谷をめぐってドタバタを繰り広げる、オカルト・コメディ漫画。

ちょっとクセがあるけど個性的な変身ヒーロー・二本松兄妹と、退魔師率いるすずめ軍団の戦い。そして異次元の不思議空間で展開される、テンポの良いアクションが面白い。終盤の盛り上がりは燃える!


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白眼子

山岸凉子さんの「白眼子」。終戦後の北海道で、不思議な力を持つ「白眼子(ハクガンシ)さま」に出会った、戦災孤児の少女。その数奇な運命を描くドラマ・ストーリー。

白眼子

戦時中の行方不明者を探す力を持つ、盲目の白眼子さま。彼の身の回りの世話をしながら少女は成長していくのですが、やがて明らかになる「白眼子が少女を引き取った理由」に、静かな感動が。オカルト要素のあるヒューマン・ドラマ全1巻です。

なお本作は表題作のほか、短編『二日月』を収録しています。

ヘルタースケルター

映画化もされた岡崎京子さんの「ヘルタースケルター」。整形によって作り上げられたトップモデル・りりこ。その容姿と精神が崩壊していく様を描いたサスペンス漫画。

「ヘルタースケルター=螺旋状の滑り台」というタイトルの通り、破滅へと突き進む恐怖、そして哀しみ。身も心も徐々に崩れゆき、やがて狂気に取り憑かれていくりりこの壮絶な生きざまに、迫力と恐ろしさを感じます。ラストは意外な展開で…?

花と頬

芸能人の父を持つ女子高生・頬子(ホホコ)と、大柄で物静かな転校生男子・八尋。二人のひと夏の出会いをゆるやかに綴るガール・ミーツ・ボーイ、イトイ圭さんの「花と頬」。

純粋にして打算的な気持ちも持ち合わせる、思春期の少年少女。その絶妙な距離感とてもステキ。図書室で二人がルーズリーフに交互にメッセージを書き込む「会話」など、青春映画のようなシーンの数々も印象的。風景やカットの一つ一つにセンスを感じる漫画です。

新月を左に旋回

衿沢世衣子さんの「新月を左に旋回」。謎の留学をした姉と入れ替わるように、中学生のユウコのもとに現れた不思議な少女・このは。二人のゆるふわな日常を描く、衿沢世衣子版「オバ◯」的な漫画。

普通の女の子と少し不思議な存在の組み合わせから生まれる、優しい冒険。衿沢世衣子作品には珍しく、少しダークな雰囲気も漂わせていて、なかなか新鮮な読み心地。全1巻完結ですが、続きを読んでみたい!

夢中さ、きみに。

美形で独特の色気をうかがわせるが、行動が少し特殊な林くんを、同級生の目を通して描く「林くん」全4話

伊藤○二ホラー漫画風の見た目で「関わると不幸になる」と噂の二階堂くんと、成り行きで彼と親交を深めていく目高くん。二人の奇妙な関係を描く「二階堂くんと目高くん」全4話

以上の二部構成となっている和山やまさんの初単行本「夢中さ、きみに。」。これ、非常に説明のしにくい漫画なんですが、読むうちに少し変わった高校生たちからなぜか目が話せなくなってくる、不思議な作品。

雪の峠・剣の舞

戦国時代の後、領内の築城をめぐる老家臣たちと若者の静かな戦いを描く「雪の峠」。竹刀発明のエピソードを、復讐を目指す少女と剣豪を絡めて描く「剣の舞」。ボリュームのある中編二つを収録した、岩明均さんの「雪の峠・剣の舞」。

いずれも実在の人物が登場する二編。岩明均さんならではの練りに練られたエピソード、読み応えがあります。文句なしのおもしろさを持つ一作。

Love, Hate, Love.

ヤマシタトモコさんの「Love, Hate, Love.」。28歳にしてバージンのバレエダンサーと、二回り年上の大学教授。マンションの隣同士である二人の、ぎこちない恋愛を描くストーリー。

ヤマシタトモコさんらしいアンニュイな雰囲気の漂う、大人のドラマ。安易に肉体関係に依らずに、二人の絶妙な距離感を表現しているのはさすが。

我らコンタクティ

森田るいさんの「我らコンタクティ」。小学校以来の再会を果たした同級生の男女。宇宙人へのメッセージとして、「あるもの」を搭載したロケットを打ち上げようとする物語。

ちょっとゲスいヒロイン・カナエと、ロケットを独力で開発する朴訥とした青年・かずき。ユーモアを絡めながら、二人が打ち上げに向けて「駆け抜けていく」様子が心地よい。個人ロケット開発ならではの、フリーダムな楽しさが伝わってくる漫画です。

あの子の家

クマザワミキコさんの「あの子の家」。母と二人で暮らす少女。楽しいけれど、「自分のどっかが死んでる」という気持ちが拭えない。快適とは、楽しいとは、そうゆうものなんだ、と理解している彼女が、あるきっかけで家を出て…。

「子どもの自立」がファンタジー風味で描かれるのですが、ほんわかした絵柄とは裏腹に、読み手の精神をジワジワと抉るような内容。ホラーじゃないのに、ほんのり恐ろしさを感じる漫画です。

ブレイン・トラッカー リピート・ユーフォリア

多田乃伸明さんの「ブレイン・トラッカー リピート・ユーフォリア」。電脳化した人間たちが住む街で、異常をきたした脳を回収する「ブレイン・トラッカー(脳探し屋)」。その一人である主人公が、かつて愛した人の影を追いながら、真実に迫る姿を描くハードボイルドSF

ブレードランナー的な退廃した世界観と、よく練られたセリフ回し。漫画でありながらハードボイルド小説を読んでいるかのような、不思議な雰囲気を感じるストーリー漫画です。

魔王の帰還

一穂ミチさんの同名短編小説(「スモールワールズ」収録)を、嵐山ノリさんがコミカライズした「魔王の帰還」。

「魔王」のような巨漢の姉(出戻り)、野球部を退部し転校した弟、家族問題を抱える同級生の少女。彼らが一致団結、夏の金魚すくい大会に向けて奮起する姿を描く物語

強烈なインパクトを放つ「魔王」。しかし少年少女は、彼女の「帰還」に隠された秘密を知り…。「精神的に負けている主人公たち」が、ひと夏の交流を通して「魂の再生」を果たしていく様が、じわじわと心に染み渡ります。

Silent Blue

安堂維子里さんの「Silent Blue」。隕石が落下してできた湖。そこに眠る「街」と自身の失われた記憶を求めて、湖の底にダイブする女性を描くソフトなSF漫画。

主人公・あおこが潜水する際のファンタジックな表現が素晴らしい。モノクロ漫画なのに、不思議と蒼い景色が目に浮かぶような、そんな美しさがあります。全編に「みずみずしさ」が漂い、読後に爽やかな気持ちになる作品です。

don’t like this

鶴谷香央理さんの「don’t like this」。「これ好きじゃない!」というタイトルとは裏腹に、ふとしたきっかけから釣りを始め、そこからいろいろな「好き」に目覚めていく主人公。その姿が各話4Pのショートストーリーで、ユーモラスに描かれます。

初めて釣り竿を持った時。初めて魚を釣った時。釣った魚をおいしく調理できた時。彼女の好き、そして世界が広がっていく様が、1巻を通じてじっくりと描かれていく様が心地よい。作者の代表作「メタモルフォーゼの縁側」とは異なる作画法にも注目。

ポジティブなゆり子さん

平澤枝里子さんの「ポジティブなゆり子さん」。仕事ができる後輩社員に片思いをしていたが、彼の結婚により失恋した27歳OL・ゆり子さん。しかしいつも笑顔、前向きな気持ちで前に進む彼女を、優しい筆致で描く物語。

タイトルから「底抜けにポジティブシンキングな女性」の話を想像していましたが、さにあらず。夜空に浮かぶ月に照らし出される、彼女の不安な心が印象的。心の中で後輩くんを静かに思うシーンが、泣ける。

兄帰る

近藤ようこさんの「兄帰る」。婚約者と親兄弟を残して突如失踪した男性は、三年後に事故死、遺骨となって家族のもとへ。その遺品から彼の足跡をたどる婚約者たちは、どのような真実に行き着くのか―。

モヤモヤを抱えながら生きてきた婚約者たちが、男性が失踪後に出会った人々から話を聞くうちに、胸のつかえを下ろしていく。そんな「精神的な再生」が描かれる物語。やがて「兄帰る」というタイトルに帰結していく構成が素晴らしい。

ゆとりの町長

小坂俊史さんの4コマ漫画「ゆとりの町長」。田舎町に出戻った町本ゆとり(24)が成り行きで町長選に立候補。参謀になった同級生と共に、3期無投票当選の現職に挑む、という選挙コメディ

作者ならではのボケとツッコミの強弱がついた4コマが、安定した笑いを提供。シンプルに面白い。

ですが読んでいくと、あれ?あれれ?ゆとりは町長に当選するや否や?なんて、選挙の行方が気になってくるから不思議。4コマに笑いながら、全1巻を通してのストーリーも楽しめる、稀有な作品。

となりのロボット

高性能な実験ロボットであるヒロと、幼少からその研究に「友人」として協力するチカ。やがて成長しヒロを恋愛対象として見るチカだが、感情の無いヒロはその思いを受け止めることが…?

西UKOさんの百合漫画「となりのロボット」。この漫画が稀有なのは、ヒロのバックにある研究機関含め、科学描写がビックリするほどリアルなこと。読む前と読んだ後では、作品に対する印象がガラッと変わるのではないでしょうか。唯一無二のリアルSF百合漫画

夜よる傍に

森泉岳土さんの「夜よる傍に」。不眠症の青年と、夜にのみ視力の回復する少女。夜に出会った二人が、幻の絵本「夜をさがして」をめぐって不思議な体験をする、という幻想的なストーリー。

墨や楊枝を使った独特な技法を作画に用いる森泉岳土さん。その特殊な表現方法で描かれる「夜の世界」に、思わず読み手も夜を彷徨っているような気分に。ファンタジックな物語も素敵です。

霧の中のラプンツェル

あらい・まりこさんの「霧の中のラプンツェル」。ナチスが政権を握る時代のドイツ。ユダヤ人少女・ラケルと家族の悲劇的な結末が、「ラプンツェル」の物語になぞらえて描かれます。

あらい・まりこさんらしいユーモアを交えながら、真正面から「戦争」というテーマに取り組んだ意欲的な漫画作品。物語は中途半端な部分で終了となっているのですが、個人的にはその未完成さ故に、「ラケルのその後」に対する想像力を掻き立てられます。

ドミニオン F

士郎正宗さんの「ドミニオン F」。大気汚染によりマスクが手放せなくなった近未来。戦車隊の婦警と泥棒一味のドタバタを描くSF漫画。

カワイイ戦車「ボナパルト」を駆るレオナと、大泥棒ブアク+ケモノ耳の双子らの戦い。コミカルさと緻密なSF描写が融合した、士郎正宗漫画らしい一作。警察が市街戦で小型戦車を乗り回すという発想、そして小気味良いアクションが面白い。

なお続編的な「ドミニオン C」もありますが、そちらはアナザーストーリー的な扱い。基本はこの一巻で完結しています。

アーサー・ピューティーは夜の魔女

木々津克久さんの「アーサー・ピューティーは夜の魔女」。高位の存在である魔女とその従者が、人間にその存在を脅かされながら放浪の旅を続ける、というオカルトSF漫画

支配するものとされるものの立場が逆転、という世界観で展開される、木々津克久さんらしいブラックでシニカルなエピソードの数々が面白い。時間を操る悪魔・フィボナッチと絡むエピソードがトリッキーで秀逸。

なお先に「ヘレンesp」全2巻を読んでおくと、より本作が楽しめるでしょう。

雪女幻想 みちゆき篇

安堂維子里さんの「雪女幻想 みちゆき篇」。添い遂げる男を探して渡り歩く魔性の雪女と、彼女を追う男の、悲劇的にして幻想的な物語

全編落ち着いた、しっとりする空気の漂う大人の漫画。しかし読んでいると徐々に冷え冷えしてくるような、狂気・ホラー感も。恐ろしくも哀しい「現代の雪女」ストーリー。

なお本作は全1巻で完結していますが、物語を別視点から描いた「雪女幻想 うたかた篇」も電子版で刊行されています。

U[ユー]

今日マチ子さんの「U[ユー]」。女性研究者が作った自分自身のコピーが、やがてオリジナルに殺意を抱くようになり…というSFサスペンス漫画。

今日マチ子さんと言えばほっこり・ゆるふわな漫画が多いイメージですが、本作はうっすらとした肌寒さを感じさせてくれます。柔らかな線で描き出される、独特の恐怖感が印象的

ストロボライト

青山景さんの「ストロボライト」。文学青年である大学生と、彼が愛するマイナー映画の主演だった同級生女性。二人の出会いとすれ違いを、夜行列車に乗って回想するという形で描く、少し幻想的な青春ストーリー。

漫画なので当然白黒なのですが、本作を読むとそのモノクロ感がより際立つのはなぜなのだろう。夭折された青山景さんが遺してくれた、決して多くはない漫画の一つ。

The Mark of Watzel

武富智さんの「The Mark of Watzel」。かつてはアクション・スターだったが、今は悪徳セールスマンとなった老俳優ワッツェル。彼のファンである脳腫瘍を患う少女を、イメージ療法で救うサポートを引き受けるが…というお話。

少女がイメージの中で、ヒーローとして躍動する姿が素晴らしい。ファンタジーではなく、人間ドラマがメインの作品です。

YOUNG & FINE

山本直樹さんの「YOUNG & FINE」。海辺の田舎町に暮らす高校生。彼女と最後の一線を超えられない関係が続くが、新任女性教師と同居することになって…というちょっとエッチなコメディ

山本直樹作品ということで当然それなりのシーンはあるんだけど、不思議と爽やかなのは最後まで致さないからなのか(笑)。主人公と女性教師の「なんとかなりそでならない」関係も良い。

まとめ

以上、「全1巻で完結するオススメのストーリー漫画まとめ」でした。短編漫画集についてもおすすめ漫画をまとめていますので、下記関連記事よりどうぞ!

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