漫画感想・レビュー

SF漫画

漫画『七夕の国』感想―小さな超能力に隠された秘密!岩明均の傑作SFホラー

役に立たない小さな超能力を持つ青年は、やがて自身のルーツにまつわる大きな渦に飲み込まれて…。 岩明均さんの『七夕の国』。超能力を発端とする怪事件を、歴史ロマンを織り込みながら描いたSFホラー漫画です。 小学館の漫画雑誌「ビッグコミックスピリ...
ミステリー・サスペンス漫画

漫画『超嗅覚探偵NEZ』感想―超人的な嗅覚の前に秘密は存在しない

「超能力」と言えば、どんな能力を思い浮かべますか?例えば、思念で物体を動かしたりとか、未来を予知したりとか、人の心を読んだりとか…。 では「一部の身体能力が異常に高い」のはどうでしょう。腕力・脚力が強い、視力や聴覚がいい、勘が鋭い…、何てい...
その他

「マンガ好きのためのマンガ家インタビュー集」―漫画ファンなら読んでおきたい一冊

「また、天才に会ってしまった…」 そんな帯が印象的な漫画読本がこちら、「マンガ好きのためのマンガ家インタビュー集」というド直球なタイトルの本。 一迅社より2017年7月1日に刊行されました。 表紙は「それでも町は廻っている」の石黒正数さん。...
SF漫画

漫画『アーサー・ピューティーは夜の魔女』感想―終末世界を旅する魔女の物語

安息の地を求めて夜の魔女は、今日も世紀末を漂う―。 「ヘレンesp」に続いて木々津克久さんの漫画をご紹介。「アーサー・ピューティーは夜の魔女」という一風変わったタイトルです。 カバーでは、赤毛の女性が路上で何やら追い詰められているようで…?...
オカルト・ホラー漫画

漫画『ヘレンesp』感想―不思議な力に導かれる盲目の少女

目が見えず、耳が聞こえず、喋れない。そんな三重苦を背負った少女が、愛犬とともに人知を超えた出来事に出会う物語。木々津克久(きぎつかつひさ)さんの漫画「ヘレンesp」を読みました。 週刊少年チャンピオン誌にて、2007年から2010年まで不定...
SF漫画

漫画『深海蒐集人』感想―”過去”を引き揚げるダイバー!海洋SFロマン

漫画「深海蒐集人」、近未来の海に潜る華麗なダイバーを描いた海洋SFです。「蒐集」は「しゅうしゅう」と読みます。難しい字ですが「収集」と同義です。 作者は「かまたきみこ」さん。かまたさんの漫画に触れるのは本作が初めて。朝日新聞出版より電子版全...
ミステリー・サスペンス漫画

漫画『葬式探偵モズ』シリーズ感想―さらば愛しき葬式探偵

葬式にまつわる難事件をズバッと(?)解決する風変わりな探偵、「葬式探偵」もいよいよ見納め。 吉川景都さんのミステリー漫画「葬式探偵モズ」。2017年5月刊行(電子版は6月)の「モズ 葬式探偵の帰還」をもって、シリーズ完結となりました。 カバ...
ゲーム・ギャンブル漫画

将棋漫画『王狩』感想―盤上を駆ける少年少女たちの戦い

2017年6月26日、プロ棋士・藤井聡太四段が前人未到の公式戦29連勝を成し遂げました。私も当日の様子を見ましたが、その落ち着きぶりはとても14歳には見えず。 しかし記者会見のうつ伏せがちな様子から、藤井四段がまだ「少年」であることも感じま...
ドラマ・恋愛

漫画『かの人や月』感想―7人と2匹の織りなすほっこりホームドラマ

テレビドラマ「あなたのことはそれほど」で、漫画を読まない層にも飛躍的に知名度の上がったいくえみ綾さん。 ドラマがきっかけで「あなた~」を手に取られた方も多いと思いますが、そうなると他のいくえみ作品も読みたくなってくるのでは。 それでは次の一...
ドラマ・恋愛

漫画『雪の峠・剣の舞』―これは戦でござる…!異色の時代劇2編

時代劇・歴史ものの良いところ。それはいつの時代に読んでも、色あせないおもしろさがあること。というわけで今回ご紹介するのは、岩明均さんの漫画単行本「雪の峠・剣の舞」。 岩明均さんと言えば「寄生獣」「ヒストリエ」「七夕の国」と、数多くの長編漫画...
ドラマ・恋愛

漫画『紅のメリーポピンズ』感想―スーパーナニーは今日も逃亡中!

エレガンスな育児テクニックで、子育ての難問・難事件を解決する謎のスーパーナニー。その正体は…? 漫画家・高口里純さんの『紅(くれない)のメリーポピンズ』。単行本はジュールコミックスより刊行、全4巻完結済み。 「ナニー」はベビーシッターとは区...
ドラマ・恋愛

漫画『魔法のリノベ』感想―より良い住まいを目指して!リノベ+恋愛ストーリー

家族経営の工務店で社長がスカウトしてきたのは、凄腕の女性営業社員。しかし妻に逃げられ傷心中の長男にとって、その存在は微妙で…? 星崎真紀さんの漫画『魔法のリノベ』。敏腕女性営業・真行寺小梅を中心に、住宅のリノベ(リノベーション)が生み出すド...
アクション・格闘技漫画

漫画『邪眼は月輪に飛ぶ』感想―藤田和日郎のノンストップ・アクション・ホラー

死をもたらす、悪魔の眼を持つ鳥。その前に人々は為す術もなく倒れ、滅亡へと近づく世界。そんな人類の脅威に立ち向かうは、仮面の老マタギ―。 藤田和日郎さんと言えば「うしおととら」「からくりサーカス」など、少年誌での長期連載が多い漫画家さん。 そ...
SF漫画

漫画『スピリットサークル』感想―少年と少女を縛る輪廻の環

少年の命を狙う少女。その胸には遠い過去からの因縁が刻まれていた―。 水上悟志さんのSF漫画「スピリットサークル」を読みました。2012年から2016年にかけて少年画報社「ヤングキングアワーズ」に連載。全6巻完結済みの漫画です。 水上作品にふ...
コメディ漫画

漫画『NKJK』―笑って泣ける!女子高生たちの友情物語

「JK」の意味は女子高生、なんてのもすっかり定着しましたが、「NK」って何? そこには涙なくして語れない、友情物語の秘密が…。 というわけで今回ご紹介するのはこちら。吉沢緑時(よしざわ・りょくじ)さんの漫画「NKJK」。読みは素直に「エヌケ...
オカルト・ホラー漫画

ホラー漫画『魔犬 ラヴクラフト傑作集』感想―異世界の扉を開く闇の門

魔界の入り口。それは傍らに立つ人間を引き寄せずにはいられないもの―。 田辺剛さん描くホラー短編集「魔犬」。ホラー小説の雄・ラブクラフトの描いた小説を、漫画化したものです。 私はホラー小説もホラー漫画も好きですが、ラブクラフト作品についてはあ...
ドラマ・恋愛

漫画『G線上のあなたと私』感想―大人のバイオリン教室が紡ぐゆるやかな人間模様

「G線上のアリア」と聞くと何を思い浮かべますか? 私はやはりドカベン・殿馬の秘打ですね。ファウルラインの打球を絶妙に転がすあのテクニック、やはり数多くの秘打を持つ殿馬ならでは… …すみません。今回ご紹介する漫画とはまったく関係がありませんで...
ミステリー・サスペンス漫画

漫画『ゴルゴ13 ACT-X』184巻感想―これぞゴルゴ!な醍醐味満載の一冊

さいとう・たかを先生の代表作の一つ「ゴルゴ13」。久しぶりに単行本を読みました。 手に取ったのは第184巻の「ACT-X」。200巻も間近? 表紙のバックは香川県のサンポート高松地区。ゴルゴの舞台が日本だと何となく嬉しい。
ファンタジー漫画

マンガ版『ゼルダの伝説』感想―石ノ森章太郎描くリンクの旅

石ノ森章太郎(旧ペンネーム:石森章太郎)さんと言えば、手塚治虫さん・藤子不二雄さんらと並んで一時代を築いた、大御所の漫画家さん。 『サイボーグ009』『仮面ライダー』『幻魔大戦』『人造人間キカイダー』と、著名な作品を挙げれば枚挙にいとまがあ...
ドラマ・恋愛

漫画『HUMANITAS ヒューマニタス』感想―過酷な戦いに挑む三人の戦士を描く短編漫画集

いつの時代にも、過酷な闘いに挑む戦士たちがいる―。 異なる時代を生きる、三人の戦士たちを描いた短編集。山本亜季さん描く全1巻完結漫画「HUMANITAS ヒューマニタス」です。 刀を構える少年。その鋭い瞳には何が映っているのか―。